穂高健一氏『隠された幕末史』の講演会が葛飾区立立石図書館で開催される
2018年1月28日の14時から2時間にわたり、葛飾区立立石図書館・研修会(2階)で、 『隠された幕末史』の講演会が開催されました。 当日はみぞれも止んで晴れわたり、参加者は計画したかと思われるように、100人ちょうどでした。 ちなみに職員が知るかぎりでは、図書館が開設されて以来の最高記録だそうです。 地元の作家というのも相まって、みな真剣な眼差しで身を乗りだし、食い入るように聴いています。 なかには、小学校の高学年と思われる方が、父親とともに最後まで熱心に耳を傾けていました。
はじめに、立石図書館の白井館長があいさつをされました。 「作家・穂高さんは、葛飾区史の『郷土ゆかり人』(100人)に載られていますが、 私自身はあまり、認識がありませんでした。 HPを見ると、小説家、登山家、ジャーナリスト、写真家など幅広く活動されています。おどろきでした。 「きょうは、明治維新から150年。大政奉還、鳥羽伏見の戦い、戊辰戦争・・・ これらの歴史の舞台裏がどのように語られるのか、とても楽しみです」と語られた。 穂高氏の講演内容はいつもながら、幕末史の常識をひっくり返すほどの熱気だ。 明治22年に、伊藤博文の下で、明治憲法が発布された。 この22年に、大久保利通の家屋が全焼し、大久保利通の日記が燃えてしまった。 白版に『鳥有』と文字を書き、「とりう、と読みます。すべてなくなることです」 つまり大久保日記が全焼したことを意味します。 国立国会図書館のアーカイブから確認できます、と付け加えた。 「この全焼は放火ではなかろうか」 なぜか、放火か。幕末史にかかわる主要な人物たちの慶応3年の肝心な日記が、 ことごとく、燃やされたり、抜かれたり、まったく現存しないからだ。 まさに明治20年代の政府トップは、焚書(ふんしょ)を謀ったのだろう。 事実ならば、ヒットラー、毛沢東とともに、明治政府は「世界三大焚書」を成した。 後世に重大なる責任を負わねばならない、と語った。
穂高氏は、自著の幕末歴史小説「二十歳の炎」(2014年6月に発行)にサインをされた。 表紙の英雄・高間省三の写真がとても格好いい。 「明治時代発行の軍人携帯必読『忠勇亀鑑』には、 日本古代の武人、日本武尊、加藤清正、豊臣秀吉、徳川家康らがならぶ。 ただ、戊辰戦争はたったひとり。 西郷隆盛、板垣退助でもなく、唯一の武勲と紹介されているのが、表紙の高間省三です。 日本人にはぜひ知ってもらいたい人物です」と、穂高氏はつねに語っています。 穂高氏から学ぶ、「かつしかPPクラブ」のメンバーも講演にかけつけました。 また、かつしかPPクラブを下支えしてくださる、立石名物・岡島古書店の岡島さん、 そして、四つ木郷土史家の石戸暉久さんも参加されました。 二次会では、幕末の要人の日記がことごとく「焚書」されたが、誰が命じたのか、 その犯人探しで、みなが盛りあがりました。 なお9月22日の土曜には、水元図書館で新刊に関する、講演会が予定されているそうです。 今からとても待ち遠しいですね。
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