隅田 昭のエンタメーゼ

2015年2月20日に、かつしかPPクラブの2月度が開催されました。


■ 総論




私はかつしかPPクラブが始まってから、5、6年ほどかけて、じっくり育ててきたつもりだ。
それは高校球児を基本から指導する監督が、やがて甲子園出場の常連チームを作って、プロに送り出す楽しさに似ている。
最近のPPの各作品を見ると、基礎講座から始まり、その腕を磨き、いまや作家から見ても良い出来になっている。


日記や作文コンクールのように、書きたい物をただ好き放題に書いて他人に見てもらうのでは、いつまでも素人のままだ。
これからはテーマを決めた取材記事や、葛飾区などからも作品を依頼されるケースが多くなると思う。
「頼む人は、何を作ってほしいのか?」と、それを常に考え、意識して作品作りに集中してほしい。
プロのつもりで、筆者・記者の得意なジャンルを飛び越え、葛飾の特性を書ききってもらいたい。


プロ作家はおおむね依頼者から、「こういう素材、こういう出来事を書いてもらいたい」と言われたら、やらざるを得ない。
私は今、歴史小説の執筆で、それに関連する農業や林業の取材で、信州や飛騨地方に出向いている。
絹や蚕など何も知らないし、見たこともないし、それ自体に、地元の人から驚かれながら、解からない事柄を一つずつ丹念に調べている。
それと同様に、やがてPPに葛飾区の団体や商工会議所などから依頼が来ても、すぐに対応できる能力を身につける姿勢でいてほしい。


今年はいよいよ飛躍の年である。新しい人も入会したので、「穂高健一ワールド」で紹介するつもりだ。
これからは受講生の小説や写真、記事を機会あるごとに、多方面で紹介したい。
また5月21日は、著名な作家と地元立石で懇親会を予定している。
これは日本のトップクラスの作家と語りあって、場慣れして、多少の著名人でも、落ち着いて取材できる、そんな度胸を養うことを目的にしている。


作品はまず、写真を選んでから文章をつけていくのがコツ。
作者は最初と最後の構成を、常に意識して作品に取り組めば、おのずと良い秀作になる。
取材した順番にこだわらず、「見る側は、何に関心を持つのか?」、それを第一に考えて作品を仕上げてほしい。


■ 今回のテーマは『美』です。





「読む人」を意識した、取材力が利いた作品ばかりです。
今回は、とくにPPが一つ突出したな、と感じさせます。


冊子それぞれ内容が濃く、筆力がある文章で、最後まで読ませます。
いずれも目を見張る写真が幾つか挿入されています。
それが作品の魅力になっています。


課題に対する取組とか、切り口とか、狙いとかが、会得されてきました。
課題に対しる思慮し、着想、取材へ向かう。
その過程で、テーマの絞り方のコツがつかめてきています。


「足で書く緻密な取材」、「写真で魅せる冊子」、「昔話で地域の特徴を知らしめる作品」、
「イベントから情報の提供記事」、「テーマを決めてから取材した作品」など、
それぞれ個性が醸し出されています。


提出作品はジャンルが広く、「過去には小説もあった」
世間一般の情報誌から脱した、新しさがあります。


総括すれば、PPメンバーには最も重要な粘り、根気、執着心が身についてきました。



⇒TOPに戻る

お知らせ

ブログやSNSなど個人利用でしたら、リンクはご自由になさってください。
ただし、商用目的や反社会目的、及び誹謗、中傷などは禁止いたします。